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紅葉と日本の森

  • 2009-11-06 (金) 12:23
  • 生命

紅葉が美しい季節になりました。

落葉樹は日照時間が減り、周りの温度が下がると、紅葉し、そして葉っぱが散っていまいます。葉っぱは葉緑体を使ってエネルギー生産します。しかし、植物は光合 成だけで生きているわけではありません。日が当たらない夜間は昼間、光合成でためた栄養を酸素呼吸で分解して(そのときに二酸化炭素をだす)エネルギーにしている のです。
葉っぱを維持するのにも一定のエネルギー消費が伴います。だから葉っぱが生産するエネルギーが、消費するエネルギーを下回ったら葉っぱを維持する必然性がありません。それで落葉するのです。
不況になったら派遣が企業を解雇されるのと同じ理屈です。自然は美しいけど厳しいなあ。

日本列島には本来三種類の森があります。南から照葉樹林、広葉樹林、針葉樹林です。
照葉樹林は一年中葉っぱが緑。日照時間と温度が高いためです。
植生も多様で、さまざまな種類の植物が生態系を作っています。
昔は西日本に照葉樹林が広がっていましたが、戦後の復興需要をあてにした杉の植林でほとんど無くなってしまいました。世界遺産の熊野古道も周りは杉の木だらけです。東京近辺だと伊豆半島に所々照葉樹の森が見かけられます。
広葉樹林を代表するのは世界遺産の白神山系。ブナを中心とした落葉樹が森を作っており、秋になると美しく紅葉します。そして木々の根元には何年も かけて積み重なった落ち葉が厚い層を作っています。実はこの落ち葉の層が樹木の栄養源になり、また水分の保全に役に立っているのです。経済用語を使うとストックの ある生態系です。

北海道に広がる杉やヒノキは針葉樹の森。針葉樹は一年中葉がついているがそのかわり受光面積が非常にちいさい葉っぱです。
針葉樹は進化的にいうと照葉樹や落葉樹に比べて古い植物です。花を咲かせる他の植物は昆虫に蜜というインセンティブを与えて、花粉を運ばます。(花と昆虫の共進化)ところが針葉樹は花粉をめしべに運ぶために風を使う風媒花。だから杉がふえた近年、花粉症という病気がはやっています。
水の近くで進化した植物が、生殖に風を使うことで内陸部まで生存範囲を広げました。
針葉樹が寒冷地に追いやられたのは、後から進化した照葉樹や落葉樹に生活圏を奪われたからでしょう。アラスカなどのもっと寒いところに行くと樹木の大きさがどんどん小さくります。

ところで、労働市場であぶれた人たちを日本の森の再生を担当する人として雇用しようという提言が時々見られます。
前述したように日本の森は戦後の復興需要を見込んだ植林のせいでかなりの部分が針葉樹になってしまいました。
現在この人口針葉樹の森は林業従事者の高齢化などにともない、間伐などの手入れがされていません。で、やせ細った杉ばかりの森になりつつあります。なぜ日本 の林業が産業としてだめになったかというと、アジアなどからの安い木材の輸入のおかげで競争力を無くしてしまったからです。
では労働力を投じて森の手入れをすれば競争力が取り戻せるのか?木材需要が回復するのか?
この辺の答えがよく見えません。

だれか答えを持っている人がいたら教えてほしいとおもいます。

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