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軌道上太陽光発電所(Space Solar Power System)

前回のエントリーで触れた宇宙基本法にも記述されているのですが、日本は静止軌道上にある衛星で発電して地球に送る軌道上太陽光発電所をつくる計画を進めています。この利点は、天気や夜に左右されず365日発電できることです。現在の計画では2030年頃、原子力発電所一つ分ほどの100万キロワットほどの発電をめざしています。
日本経済新聞の6月28日にJAXAと経産省が発電衛星から地上に送電する仕組みの開発に取り組むとの記事が掲載されました。ちゃんと予算が付いたようで経産省は「太陽光発電無線送受電技術の研究開発」として委託研究先の公募を7月に行っていました。

送電システムとしてはマイクロ波とレーザーの二つが考えられているようです。マイクロ波は、80年代このアイデアがアメリカで生まれたときからの方法です。マイクロ波は周波数が低いので雲や雨に影響されません。その代わり設備が大きくなります。こちらは太陽電池で発電します。衛星の集光用の鏡は直径3500メートルほどものが二つ必要です。電波が拡散するので地上の受信システムでも2000m四方ほどの施設が必要となります。
レーザー送電は新しく出てきたアイデアでいわゆる太陽電池パネルではなく、太陽光から直接レーザーを発生します。
そして地上で受信したレーザーを電気に変換します。
レーザーは雲や雨に妨げられる欠点がありますが、発電した電気で水を電気分解をして、電気エネルギーを水素に変え、発電の不安定さを一定の範囲内に収めるという構想です。
最近JAXAが研究委託していたレーザー技術総合研究所大阪大学レーザーエネルギー学研究センターがレーザー方式の発電効率を42%までのばしたと言うことです。
わたし(S)が個人的に心配するのは、マイクロウエイブによる電送ですね。これって電子レンジと同じことなので、マイクロウエイブが降り注ぐ一体は結構危険なことになのではないでしょうか。受電装置を作るのは海上の上に設置するしかないでしょう。電波が拡散するので通過する鳥などが焼き鳥になる可能性もあるのではないでしょうか。
レーザーの方は高エネルギーが運べるし、ビームの絞り込みも出来るので、受光装置も小さくてすみそうです。安全面ではマイクロ波よりはましなような気がしますが、天気に弱い。ですので、レーザー光を使って水を分解して、水素にするという構想です。水素は燃料電池として使えますが、極低温でないと液体化しないなどの、取り扱いの難しい物質です。しかし、一種の電池のようにポテンシャル・エネルギーの保存媒体として使えます。これはこれで技術的ブレークスルーが必要ですが。
基本的には通信衛星で地上と電波のやりとりをする技術の延長上にある計画だと思うので不可能ではないと思います。
あと、巨大な資材をどうやって打ち上げるのかという課題も残る。今はHTVの打ち上げにしか使っていない大型ロケットH2−Bが役に立つのではないでしょうか。
こういった技術的問題と別に気になる点があります。地球というシステムは太陽から地上に光が降り注ぎ、熱となって宇宙に帰って行く安定したエネルギー収支になっています。ところが、軌道上太陽熱発電所は地球の外から本来地球に入ってこないエネルギーを運んでくる。これは、石炭や石油のように地中にあった過去の太陽エネルギーを取り出して消費していることと変わらないのではないか?確かにCO2は出ないが・・・・地球は複雑系システムです。カオスがたくさん仕込まれている。カオスは小さな初期の揺らぎが大きな揺らぎに拡大する性質を持っています。
ここら辺は慎重にならざるを得ないのではないでしょうか(S)

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