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クラウドどスマート・グリッド

googleやamazonのビジネスモデルは大量のサーバーと回線を必要しました。そのうちサーバーの仮想化技術が登場して巨大なデータセン ターが出現。さらにサーバーを動かし、冷房する巨大な電力が必要になりました。巨大データセンターにはコンテナの中にブレード・サー バーが刺さったラックを押し込んだものがいくつも並んでいるそうです。
そしてこのインフラがサーバー能力そのものを提供するサービスを可能にしました。これは初期のインター ネットの「自律分散」型システムとは異なっています。インターネットがこういう流れになってきたのは電力の供給システム発達の歴史と類似性があると「クラウド化する世界」ニコラス・G・カー著はいいます。
電気をエネルギーとして使うようになってきた20世紀初頭にはそれぞれの工場に発電施設が併設されていたそうです。やがてエネルギー供給に特化した発電所がうまれ、送電ネットワークでエネルギーを供給するようになりました。コンセントにつなげば電力が得られるというかたちで電気はユーティリティー化したのです。
いま、回線の大容量化とクラウド化により、コンピュータ・パワーはユーティリティー化していると著者は指摘します。企業ごとにサーバーを持っていると言うことは工場ごとに発電設備を持っていた時代に対応します。発電所がうまれたようにクラウドが生まれたです。

しかし皮肉なことにアメリカで生まれた電力のネットワークはもはや古びています。アメリカで大規模停電がしばしば起こるのは大規模発電所と送電ネットワークをつぎはぎでつくってきたことの結果なのです。カスケード故障とよばれますが、これはいろんな種類のネットワークに起こる現象です。
そこで登場しているのがスマートグリッド構想です。
これまでの送電ネットワークには電力需要と供給力をマッチさせる市場のようなメカニズムがありませんでした。電力の調整は供給が行う仕組みになっている供給サイドのネットワークであり、需要サイドからのフィードバックがありません。それでたびたび需給関係のミスマッチがおこり大規模停電が発生します。
スマートグリッド構想では末端の需要者からのフィードバックを組み込むことが考えられています。しかし、それだけではありません。「スマート」になることにより小規模の、 たとえば家庭の太陽光発電や地域の風力発電も供給ネットワークに組み込めます。スマートグリッドは生命の代謝メカニズムの特徴であるホメオシタシスに近づい ています。
クラウド化の方向とスマートグリッド化の方向はベクトルとして逆になっています。しかし、両方の動きにgoogleが関与しているることは興味深い。

日本の電力ネットワークはアメリカよりも新しく発達してきたので各電力会社が供給量を緻密にコントロールしています。そのため、当初スマートグリッド構想には消極的であったようです。
しかし、地産地消エネルギーを組み込んだ未来のエネルギーネットワークにはスマートグリッド構想が必要だという判断に達したようで、先日の鳩山総理とオバマ大統領の会談でも、日米が協力してスマートグリッドの標準化を行うことに合意したそうです。

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カーシェアリング、電気自動車、リチウムイオン電池など

先日街角でティッシュを受け取ったら、なんとカーシェアリングのチラシでした。TIME24というあちこちの遊休地に駐車場を作っている会社がありますが、そこがカーシェアリングをはじめたらしい。いいアイデアだなとおもいます。
すでにオリックスなどがスタートさせているカーシェアリングですが、カーシェアリングの用途は主に街乗り用なので将来は電気自動車中心になるのでしょう。駐車場で充電させておいて、使い終わったらまた駐車場に戻しコンセントにつないでおけばいいというわけです。
長距離移動は飛行機か鉄道。行った先では電気自動車のカーシェアリング、という社会がくるのではないでしょうか。

ところで三菱自動車が発売した電気自動車はおよそ400万円。その半分が電池代だそうです。素人考えだと電池を着脱式にしておいて、自動車本体を200万円にする。電池はそのつど充電済みのものをガススタンドみたいなところで電気代だけ払って借りればいいのではないかと思っていました。
先日NHKのビジョンeという番組でも同じような疑問が出ていました。ところが独立行政法人NEDO蓄電技術開発室長 弓取修二氏の言うところによると、電気自動車における電池とはエンジンそのものなのだそうです。てっきり電池はガソリンタンクでモーターがエンジンだと思っていたのですが、モーターは電気エネルギーを回転エネルギーに変える装置にすぎないということだそうです。自動車がガソリンエンジンを着脱しないのと同じように電気自動車は電池を着脱しないのです。

しかし着脱型電池は不可能ではないようです。電池が標準化されるとそれは可能になります。しかし、ガソリンエンジンの比喩で言えばエンジン性能の差が車の価値の差になるように、現在はより能力が高くコストの安い電池の開発にしのぎを削っている段階なので、電池の優劣が性能を決めます。ですから当分、標準化が課題になってこないのだそうです。

また、これから太陽光発電が普及したら、日中に発電した電力は夜間のために電池にためる必要があります。これにもリチウムイオン電池が活躍すると見込まれています。

これからの自動車はプラグイン・ハイブリッドカー、EV、燃料電池車などいろんな方法がしのぎをけずり、進化的なプロセスが起こりそうです。

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軌道上太陽光発電所(Space Solar Power System)

前回のエントリーで触れた宇宙基本法にも記述されているのですが、日本は静止軌道上にある衛星で発電して地球に送る軌道上太陽光発電所をつくる計画を進めています。この利点は、天気や夜に左右されず365日発電できることです。現在の計画では2030年頃、原子力発電所一つ分ほどの100万キロワットほどの発電をめざしています。
日本経済新聞の6月28日にJAXAと経産省が発電衛星から地上に送電する仕組みの開発に取り組むとの記事が掲載されました。ちゃんと予算が付いたようで経産省は「太陽光発電無線送受電技術の研究開発」として委託研究先の公募を7月に行っていました。

送電システムとしてはマイクロ波とレーザーの二つが考えられているようです。マイクロ波は、80年代このアイデアがアメリカで生まれたときからの方法です。マイクロ波は周波数が低いので雲や雨に影響されません。その代わり設備が大きくなります。こちらは太陽電池で発電します。衛星の集光用の鏡は直径3500メートルほどものが二つ必要です。電波が拡散するので地上の受信システムでも2000m四方ほどの施設が必要となります。
レーザー送電は新しく出てきたアイデアでいわゆる太陽電池パネルではなく、太陽光から直接レーザーを発生します。
そして地上で受信したレーザーを電気に変換します。
レーザーは雲や雨に妨げられる欠点がありますが、発電した電気で水を電気分解をして、電気エネルギーを水素に変え、発電の不安定さを一定の範囲内に収めるという構想です。
最近JAXAが研究委託していたレーザー技術総合研究所大阪大学レーザーエネルギー学研究センターがレーザー方式の発電効率を42%までのばしたと言うことです。
わたし(S)が個人的に心配するのは、マイクロウエイブによる電送ですね。これって電子レンジと同じことなので、マイクロウエイブが降り注ぐ一体は結構危険なことになのではないでしょうか。受電装置を作るのは海上の上に設置するしかないでしょう。電波が拡散するので通過する鳥などが焼き鳥になる可能性もあるのではないでしょうか。
レーザーの方は高エネルギーが運べるし、ビームの絞り込みも出来るので、受光装置も小さくてすみそうです。安全面ではマイクロ波よりはましなような気がしますが、天気に弱い。ですので、レーザー光を使って水を分解して、水素にするという構想です。水素は燃料電池として使えますが、極低温でないと液体化しないなどの、取り扱いの難しい物質です。しかし、一種の電池のようにポテンシャル・エネルギーの保存媒体として使えます。これはこれで技術的ブレークスルーが必要ですが。
基本的には通信衛星で地上と電波のやりとりをする技術の延長上にある計画だと思うので不可能ではないと思います。
あと、巨大な資材をどうやって打ち上げるのかという課題も残る。今はHTVの打ち上げにしか使っていない大型ロケットH2−Bが役に立つのではないでしょうか。
こういった技術的問題と別に気になる点があります。地球というシステムは太陽から地上に光が降り注ぎ、熱となって宇宙に帰って行く安定したエネルギー収支になっています。ところが、軌道上太陽熱発電所は地球の外から本来地球に入ってこないエネルギーを運んでくる。これは、石炭や石油のように地中にあった過去の太陽エネルギーを取り出して消費していることと変わらないのではないか?確かにCO2は出ないが・・・・地球は複雑系システムです。カオスがたくさん仕込まれている。カオスは小さな初期の揺らぎが大きな揺らぎに拡大する性質を持っています。
ここら辺は慎重にならざるを得ないのではないでしょうか(S)

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米国の宇宙企業がHTV制御技術を採用

HTVは10月31日に国際宇宙ステーションを離脱し、11月2日には大気圏に突入し消滅します。
HTVがISSにランデブーするプロセスは、完全自動で制御されています。これを開発した三菱電機の技術がアメリカのオービタル・サイエンス社に採用されることになりました。(2009年10月22日発表)
オービタル・サイエンス社はロッキード・マーティンとともに次期有人輸送システムの「オリオン」を開発しています。
シャトルの退役後、「オリオン」が運用されるまで「シグナス」という輸送システムが運用されますが、そのランデブーシステムにHTVの技術が採用されました。
HTVの自動ランデブーシステムは「きぼう」日本実験棟に搭載されている「近傍通信システム」を利用します。「シグナス」もそれを利用します。これにより運用コストが大幅に下がります。

人工衛星製造を提供している企業は、姿勢制御、太陽光発電などの共通部分と、目的に応じた装置を積むためのミッション部分を分け、共通部分のコストをさげるとか、共通のスケルトンを使う等の努力をしています。日本の新しい産業として発展してほしいと思います。

ちなみにHTVに採用された太陽電池パネルはシャープの製品で、変換効率30%を達成しています。このパネルは現在オーストラリアで行われているソーラーカー・レースで一位を走っている東海大学のチームに提供されています。
さらに35.8%という効率を達成したというリリースも出ています。(S)

追記:ソーラーカー・レースでは東海大学チームが一位となりました。

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太陽熱発電

コニカミノルタのサイトのテキストを書くために太陽熱発電の取材・調査をしました。
最終的なものはサイトでみていただくことにして、調査の報告をしたいと思います。
地球に降り注ぐ太陽エネルギーの30分ぶんが全人類が1年間で消費しているエネルギーに相当します。ほとんどの生命活動がこの太陽エネルギーに依存しています。
太陽のエネルギーを電気に変える方法として一般的なのが太陽電池です。これはシリコンなどの半導体が光を受けて電子を放出する作用で太陽光のエネルギーを直接電気エネルギーに変換します。
現在一般的な太陽電池のエネルギー変換効率は15%〜20%ほど。人工衛星に用いられる高価格だが高性能のもので30%ほどです。
光は周波数が短いものほど高いエネルギーを持っています。しかし可視光線の短い方の外側にある紫外線は大気に阻まれ地上にはあまりとどきません。また、可視光より波長の長い赤外線は太陽電池の原理ではたくさんのエネルギーは取り出せません。従って太陽光発電はおおむね可視光線の波長の光を電気に変換します。
一方今回取材した太陽熱発電はこの赤外線も利用することが出来ます。
赤外線は熱を運びます。太陽熱発電はこの熱を利用します。
虫眼鏡で太陽光を紙の一点に集めると熱によって紙が燃え上がります。太陽熱発電は原理としてはこの虫眼鏡と同じです。
現在中東アブダビで建設が進められているJAPAN PROJECTという太陽熱発電所のテスト・プラントがあります。ビーム・ダウン方式集光太陽熱発電という最新式の太陽光発電所です。
直径70メートルの円形に一辺が8メートルの反射鏡が凹面鏡の形に配置されています。個々のパネルはコンピュータ制御で太陽をおい、光を常に中空の一点に集めます。
その焦点に当たる場所には直径8メートルの中央反射鏡がつるされそこから地上にある特殊な液体で満たされた蓄熱装置に太陽光を誘導します。熱せられた液体は600度にも達し、その熱を使って蒸気を発生、タービンを回転させ発電するという仕組みです。変換効率は30%から70%に及ぶと見積もられています。

中央反射鏡は太陽エネルギーを集中させる心臓部。そこには強烈な太陽光が集中し1000度にも達します。普通のガラスによる反射鏡ではその熱に耐えられません。そこに技術的なブレーク・スルーが必要でした。
コニカミノルタは、カメラのレンズ技術で培った「反射膜」という技術でその問題を解決しました。非常に薄い特殊な物質が数百層も重ねられ、太陽光の95%を反射できます。鏡が熱を吸収することなく無駄なく蓄熱装置に送れるのです。
600度に熱せられた蓄熱装置内部の液体は日が沈んだのちでもさめることが無く、水を熱し水蒸気にすることができます。従ってソーラーパネルと違って24時間発電することができるのです。
赤道をはさんで南北。緯度で20度から30度のあたりに地球を取り巻く帯がります。
赤道で上昇した大気が乾いた空気となって下降してくる中緯度高圧帯と呼ばれるこの帯の上には砂漠が広がっています。
アラビア半島、北アフリカのサハラ砂漠・・・砂と岩だけの乾ききった不毛の地に唯一恵まれている太陽の光。
これまで何も利用することができなかった世界各地の砂漠にこの太陽熱発電所を建設することによって、電気エネルギーを得る、そんな計画が現在進行中です。(S)

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